人間の赤ちゃんの15倍速く成長する子猫にとって、生後1年以内の食事はとても重要です。
子猫の成長に合った食事は丈夫な体作りに欠かせないものであり、今後の健康に大きく関わるもの。
この時期にどんな食べ物を食べていたかによって、愛猫が健康で過ごせるかどうかが決まるといってもよいでしょう。
特に生まれてから生後6か月までの子猫には、成猫よりもかなり豊富な栄養素を摂取させる必要があります。
「でも、子猫用のフードって種類が少なくてよく分からない…」
「初めはふやかしたほうがいいの?ミルクからフードへの切り替えは?」
「成長期が終わったらキャットフードは変えたほうがいいのかな」
そこで今回は、まだミルクしか飲めない子猫を1歳まで育てた動物看護師の筆者が、子猫の成長段階ごとの食事内容と与え方、知っておきたい子猫期の食知識などをご説明します。
子猫におすすめのキャットフードや、成猫期に最適なフードも紹介しているので、ぜひ参考にして下さいね。
正しい知識でキャットフードを選んで、愛猫の健やかな成長を見守っていきましょう。
※お知らせ:2019年10月1日以降の消費税改定に伴い、商品価格を修正しております。
愛猫はどの段階?ミルク、離乳食、キャットフードへの切り替え時期
キャットフードを選ぶ前に、まずは愛猫の段階を確認しておきましょう。
ミルクから離乳食、離乳食からドライフードに移行する流れを表にしてみました。
子猫の成長スピードには差があるので、絶対にこの通りというわけではありません。
同じお母さんから生まれた子猫同士で体格が倍以上違うこともありますし、あくまで目安と考えてくださいね。
食事の切り替え中は子猫の体重やうんちの状態をよく観察して、何か変わった様子がないか気を配っておきましょう。
切り替えが子猫のストレスにならないように、ゆっくり時間をかけて行うのがポイントです。
生後6ヵ月までの間は、いろんな味・食感のフードを経験させて
食の好みが決まる離乳期には、できるだけいろんな味を経験させましょう。
猫は警戒心がとても強い動物で、今まで食べたことのない食材・食感の食べ物は避ける傾向があります。
そんな猫の食の好みが決まるのは、離乳期に入る生後3週齢目から生後6ヵ月までの短い期間。
つまり、この時期に決まったものしか食べていない猫は、成猫になった時に好き嫌いが激しくなりやすいのです。
子猫のうちに様々なものを食べさせておけば、将来フードを選ぶ時や療法食への切り替えもスムーズです。
ドライフードとウェットフード、チキンやラム、サーモンなど、できる限り色々なものを経験させてあげましょう。
1度食べただけでは忘れてしまう可能性もあるので、何度か繰り返し同じものを与えるようにして下さいね。
はじめて与えるものは食物アレルギーを考慮し、少量から食べさせるようにしましょう。
子猫にぴったりの栄養バランス!子猫におすすめの厳選キャットフード
まずは、今回ピックアップしたキャットフードをご紹介しましょう。
当サイトが子猫用としておすすめするキャットフードは、以下の4商品です。
- ジャガー
- go!【FF グレインフリー チキン&ターキー】
- フィーラインナチュラル【チキン&ラム・フィースト】
- オリジン【キャット&キティ】
どれもペットショップでは取り扱われていませんが、品質や安全性はバッチリ。
子猫にとって必要な栄養素がしっかり配合されているので、安心して与えることができますよ。
子猫のキャットフードを選ぶ時の重要ポイントは3つ
子猫のキャットフードを選ぶポイントとして、当サイトでは以下3つの項目を重視しました。
なお、有害な添加物や粗悪な原料を使っていないことは最低限の条件なので、項目からは外しています。
ポイント(1)高カロリー
1回の食事量が少ない子猫期には、エネルギー含有量の高い高カロリーなフードを選びましょう。
子猫のうちは1度に食べられるフードの量が少ないので、ヘルシーなフードでは十分に栄養が摂取できません。
子猫の成長が正常に行われるように、子猫期には高カロリーなキャットフードを与えてくださいね。
ちなみに、生後6ヵ月目以降は成長がゆるやかになり、必要な摂取カロリーも減ってきます。
子猫の体型に少し変化が出てきたら、そのつどフード量を減らしてカロリー摂取量を調整しましょう。
ポイント(2)高タンパク質
体が急成長する子猫期には、新鮮で良質な動物性たんぱく質をたくさん含む食事が必要です。
肉食動物である猫にとって、たんぱく質は絶対に欠かすことのできない重要な栄養素。
特に生後12ヵ月までは子猫の体が作られる大切な時期なので、できるだけ高タンパクなフードを与えましょう。
目安としては、たんぱく質の含有量が40パーセント以上であれば十分高タンパクなフードといえます。
ポイント(3)グレインフリー、もしくは少なめ
子猫の時期は消化器系の発達が未熟なので、できるだけ穀物入りのキャットフードは避けましょう。
第一主原料が穀物のフードはもちろんNGですし、入っていたとしてもできるだけ量が少ないものが良いですね。
※体がしっかり成長した後であれば、適度な穀物(グレイン)は便秘予防や慢性的な軟便の改善に効果的です。
子猫のアレルギーは消化器症状で見極めよう
特定の食べ物にアレルギーがある場合、子猫には嘔吐や下痢などの消化器症状が現れます。
内臓器官が未発達な子猫期には、食物アレルギーをはじめ、何かあるとまず胃腸に症状がみられがち。
食後すぐに嘔吐し、その後は元気に過ごしている場合には、食べているフードにアレルギーがある可能性があります。
子猫期は些細なきっかけで大きく体調を崩してしまうこともあるので、普段からよく様子を見ておきましょう。
さて、ここからは上記3つのポイントを満たすキャットフードのうち、特におすすめの4商品をご紹介します。
穀物アレルギーのリスクが少ないものだけをピックアップしてみたので、ぜひ参考にしてくださいね。
おすすめのフード(1)ジャガー
ジャガーは数種類の肉と魚を使用している、動物性たんぱく質80%以上のキャットフード。
健康効果が高いと注目されるスーパーフードが数多く配合されているなど、こだわりが詰まっています。
お腹の調子を整えるプロバイオティクスも含まれているので、下痢をしやすい子猫にも安心して与えられますね。
真ん中に穴のあいたドーナッツ状の粒はふやけやすく、離乳期に与えるフードとしても最適です。
粒サイズが約1cmと子猫には大きめなので、食べづらそうな様子がないか定期的に確認してあげましょう。
価格(税込) | 4,708円 |
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内容量 | 1.5kg |
カロリー / 100g | 383.5kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 40.0% / 20.0% |
おすすめのフード(2)go!【FF グレインフリー チキン&ターキー】
go!は、子猫の健康的な体作りに役立つ「高たんぱく質・低炭水化物」なキャットフードです。
使用されている肉原料はチキン・ターキー・ダック・サーモンの4種類で、小麦などの穀物は入っていません。
ミール(乾燥肉)の豊富なたんぱく質と生肉の栄養素がバランスよく配合されており、栄養成分も豊富。
粒サイズは約5~6mmとかなり小粒で食べやすく、子猫が丸呑みしてもノドに詰まりにくくなっています。
たんぱく質がかなり高いので、腎疾患のある子猫に与える場合は獣医師に相談しましょう。
価格(税込) | 1,430円/5,390円/7,370円/12,650円 |
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内容量 | 454g/1.81kg/3.63kg/7.25kg |
カロリー / 100g | 368.25kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 46.0% / 18.0% |
おすすめのフード(3)フィーラインナチュラル【チキン&ラム・フィースト】
こちらは水(ぬるま湯)にふやかすタイプのキャットフードで、原材料の99%が動物性たんぱく質!
穀物だけでなく、イモ類やマメ類も含まない完全グレインフリーなので、消化機能の未熟な子猫にぴったりです。
粒は手でほぐせるほど柔らかく、細かくほぐしてからふやかせば、簡単にペースト状の食事を作ることができますよ。
味はチキン以外に、ラム&キングサーモンとビーフ&ホキという2種類のバリエーションがあります。
ただし、たんぱく質・脂質ともに高いので、欲しがるまま与えていると肥満の原因になります。
価格(税込) | 303円/5,858円 |
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内容量 | 10g(水で戻すと40g)/320g(水で戻すと1.28kg) |
カロリー / 100g | 485.7kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 48.0% / 31.0% |
おすすめのフード(4)オリジン【キャット&キティ】
オリジンはカナダ産の食材を豊富に使用したキャットフードで、原材料の80%が動物性たんぱく質。
「できるだけ野生の猫の食性に近い配合を」というコンセプト通り、食材の内臓もそのまま含まれています。
また、ビタミンやミネラルなどの栄養素は添加物ではなく、食材から摂取できるようになっているのも魅力的です。
様々な肉や魚が配合されているので、生後6ヵ月までに色々な味を教えておきたい時に役立ちますよ。
なお、オリジンは子猫によって好き嫌いが分かれやすいので、はじめは少ない容量を買ったほうが安心です。
価格(税込) | 1,485円/6,930円/16,500円 |
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内容量 | 340g/1.8kg/6.8kg |
カロリー / 100g | 406kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 42.0% / 20.0% |
体重&月齢別で分かる!子猫のフード給餌量の目安
子猫は日々体重が変化するので、そのつど適切なフード量に調整する必要があります。
胃が小さいぶん1度にたくさんの量は食べられないので、月齢が低いほど回数を多くしましょう。
子猫の月例や体重に応じた1日の給餌量を食事回数を、分かりやすく表にしてみました。
月齢 | 体重 | 1日の給餌量 | 1日の食事回数 |
---|---|---|---|
4ヵ月未満 | 400g~1kg | 20~50g | 4~6回 |
800g~2kg | 40~70g | ||
4~9ヵ月 | 1.5~2.5kg | 50~75g | 3~4回 |
2.0~3.5kg | 60~80g | ||
9~12ヵ月 | 3~5kg | 50~95g |
※100gあたり400kcalのキャットフードの場合
ただし、適切な給与量はキャットフードによって変わってきます。
フードの消化吸収率やエネルギー代謝はそれぞれ違うので、あくまで目安として考えて下さいね。
フードの給与量はパッケージに書かれた目安表を参考に、愛猫の運動量や体質によって調整しましょう。
実際の給餌量をより正確に計算したい時は、下記の関連記事も参考にしてください!
-
3つのSTEPで計算可能!最適な猫の「給餌量」を導き出すための全知識
子猫のキャットフードを卒業するのは生後12ヵ月以降から
子猫のキャットフードは、生後12ヵ月目以降から成猫用フードに切り替えましょう。
猫種や個体によっても違いますが、一般的に猫の成長期は1歳を超える頃にほとんど終わります。
成長期が終わった猫にとって子猫用のフードは高カロリーで、かなり太りやすい食事です。
そのため、毎食しっかりと計算せずに与えていたりすると愛猫がどんどん太ってしまいかねません。
ぽっちゃり体型の猫にはなんとも言えない魅力がありますが、肥満は万病のもと!
心臓病など命に関わる病気にならないためにも、1歳を過ぎた猫には成猫用フードを与えてくださいね。
ミルクから離乳食へ切り替える時と同じく、切り替えには1~2週間ほど時間をかけましょう。
大型種は1歳以降も成長期が続く
一般的な猫にくらべ、メインクーンやノルウェージャンなどの大型種は成長速度がゆっくりです。
特にメインクーンは成猫になるまで約3~5年もかかるといわれており、成長期がかなり長いといえるでしょう。
成長期が終わるタイミングを見極めるのは難しいですが、体のサイズや運動量の減少がひとつの目安。
これまでより落ち着いて過ごす時間が多くなったら、愛猫の成長期が終わったというサインです。
オトナになったら切り替えよう!成猫におすすめのフードはこれ
当サイトがおすすめする子猫にぴったりなキャットフード、いかがでしたか?
体が急成長する子猫期が終わった後、次にやってくるのは猫の人生でもっとも長い「成猫期」。
シニアになっても元気でいるためには、成猫期にどんなものを食べるかがとても重要です。
とはいえ成猫用のキャットフードはかなりの種類があるので、すべてをリサーチするのは大変ですよね。
そんな飼い主さんの声にこたえるため、この記事ではさらに成猫用におすすめなフードを4つピックアップしました。
フードの安全性はもちろん、成猫にとって必要な栄養バランスや食いつきも考慮しています。
いずれも動物看護師の筆者が試したことのあるキャットフードなので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
【ピックアップした成猫におすすめフード】
- ロニーキャットフード
- ファインペッツ
- カナガン
- モグニャン
おすすめのフード(1)ロニーキャットフード
キャットフードには珍しい、ディハイドレイテッドチキン(脱水鶏肉)が主原料のフードです。
低温でじっかり時間をかけて水分を抜いた脱水鶏肉は栄養価が高く、消化吸収率がとても高いのが特徴。
たんぱく質36%・脂質20%と程よいバランスで、子猫用フードからの切り替えもしやすいですよ。
34種類の野菜や果物、ハーブが配合されているので、様々な病気の予防にもつながります。
当サイトでも一押しのロニーキャットフードについては、下記の関連記事でより詳しくレビューしています!
-
【猫好きに朗報】栄養バランスが高水準!ロニーキャットフードを徹底的に試してわかった真の評価
価格(税込) | 4,730円 |
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内容量 | 1.8kg |
カロリー / 100g | 410kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 36% / 20% |
おすすめのフード(2)ファインペッツ
ファインペッツはアヒル肉とニシンがメイン食材という、ちょっと変わったキャットフード。
アレルギー性が低いので、チキンなど特定の食材にアレルギーのある愛猫にも安心して与えられます。
消化吸収率が87%と非常に高く、一般的なキャットフードにくらべて胃腸に負担がかかりにくい点も高評価。
穀物である全粒粉が配合されているので、穀物アレルギーのない猫ちゃんにおすすめです。
価格(税込) | 3,772円【初回】1,100円 |
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内容量 | 1.5kg |
カロリー / 100g | 427.2kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 32% / 20% |
おすすめのフード(3)カナガン
カナガンはカロリー・たんぱく質ともに程よく高いフードで、成猫期の食事に最適です。
鶏肉・野菜・ハーブがバランス良く配合されており、尿路結石などの病気予防としても効果的。
猫が本能的に好むチーズのような香りで、「好き嫌いの激しいうちの猫も食べた!」という声も多いです。
定期購入すれば10~20%安く購入できるので、長く続けられるフードといえますね。
カナガンについては、下記の関連記事でより詳しくレビューしています!
-
100点満点中94点!カナガンキャットフードを徹底的に試して分かった本当の評価を公開!
価格(税込) | 4,356円 |
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内容量 | 1.5kg |
カロリー / 100g | 390kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 37% / 20% |
おすすめのフード(4)モグニャン
モグニャンは、アレルギー性の低い白身魚を使用したキャットフードです。
脂質16%と他のフードにくらべてヘルシーに作られているので、ぽっちゃり猫ちゃんにおすすめ。
子猫期に太ってしまった猫ちゃんは、モグニャンに切り替えることで無理のないダイエットが可能ですよ。
ほとんどの猫は1歳を超えると必要エネルギー量が減るので、肥満予防としても効果的です。
モグニャンについては、下記の関連記事でより詳しくレビューしています!
-
本当に良いフードなの?モグニャンを5つの評価基準で徹底的に試して分かった真実!
価格(税込) | 4,356円 |
---|---|
内容量 | 1.5kg |
カロリー / 100g | 365kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 30% / 16% |
重要なポイントまとめ
- 子猫の時期は成猫よりも豊富な栄養が必要・成長期は生後12ヵ月まで(大型種は3~5年続くこともある)
- キャットフードは高カロリー・高タンパク質なものを
- 消化機能が未熟なので穀物の含有量は少ないほうがよい
- 生後6か月までは色々な味・食感を経験させよう
- フードの切り替えは十分時間をかけて行うこと
- 給餌量は体重に合わせてそのつど調整するようにしよう