猫は本当にのんびりしていて、毎日ごろごろと寝てばかりいますよね。
マイペースゆえ気分が乗った時しか遊んでくれないので、継続して運動させるのは一苦労。
かくいう我が家の愛猫さっちゃんも今年で8歳になりましたが、食べては寝て、食べては寝ての毎日です。
しかし!猫にとって肥満はデメリットしかありません。
これを読んでくれている方は「何とか安全にダイエットさせたい」と思っていますよね。
太った体では更に動くのがおっくうになりますし、糖尿病や関節炎など様々な病気の原因になります。
また、自分のお腹がジャマでお尻の毛づくろいができなくなると、雑菌による細菌感染を起こすこともあるのです。
とはいえ、猫を運動で痩せさせるのは至難の業。
毎日の食事を通して無理なくダイエットを行い、愛猫を適切な体型に戻してあげましょう。
今回は動物看護師である筆者が選んだ「猫のダイエットに最適な11種類のキャットフード」をご紹介します。
「選び方はいいから早くフードを知りたい!」という方は、下記フードの紹介まで飛ばしてもらっても構いません。
それぞれ各ライフステージごとに分類してみたので、ぜひキャットフード選びの参考にしてくださいね。
まず押さえておこう!ダイエットに向いているキャットフードの選び方
ダイエット向きのフードを見分けるためには、タンパク質と脂質、食物繊維に注目することが大切です。
愛猫のダイエットが成功するかどうかは、初めのフード選びにかかっているといっても過言ではありません。
なんとなく良さそうだから、などと曖昧な理由ではなく、しっかりした基準で選ぶようにしてくださいね。
猫のダイエットフードを選ぶ基準としては、以下3つの項目があげられます。
(1)高タンパク・低脂質なものを選ぶ
タンパク豊富なキャットフードを与えることで、筋肉を維持しつつ脂肪だけを落とすことができます。
適切なタンパク質の量は猫のライフステージによって多少変わるので、年齢に合ったものを選んでください。
また、摂取する脂質と実際の運動量のバランスが良くないと、脂質はそのまま脂肪として体に蓄積してしまいます。
適度な脂質は猫が満腹感を得るために必要ですが、運動量が少ない場合は過剰に摂取しないようにしましょう。
(2)低糖質で、かつ食物繊維が多いものを選ぶ
食物繊維は食後の血糖値上昇をゆるやかにし、かつ少ない量でも満腹感を与えてくれます。
食物繊維には大きく分けて「不溶性繊維」と「可溶性繊維」という2つの種類がありますが、どちらも腹持ち良し。
お腹の調子を整える作用や糖質の吸収を抑える効果もあるので、ダイエット中の愛猫におすすめです。
(3)腸に良い原材料が使用されているものを選ぶ
プロバイオティクスやオリゴ糖など、腸に良い成分が入っているフードもおすすめです。
「第二の脳」といわれる腸の環境を良くすることで、脂肪がたまりにくい体質に改善させるのです。。
特にシニア期(7歳~)に入った猫は代謝が落ちて太りやすくなり、ダイエットしても痩せにくい体質になります。
腸内環境の改善によって排便がスムーズになれば、体に溜まった脂肪や老廃物も排出しやすくなりますよ。
体重が落ち着いてきた時には?フードの量を増やす時の注意点
愛猫の体重が落ち着いてきたら、少しだけキャットフードの量を増やしましょう。
理想的な体重になったからといってフードの量を戻してしまうと、猫はすぐにリバウンドしてしまいます。
1度太ってしまった猫を再び肥満にさせないためには、ダイエット後もフード量を制限する必要があるのですね。
ダイエットに成功した後のキャットフード量は、減量中よりも約10%程度増やすだけにしてください。
急にフード量を増やすと胃腸に負担がかかってしまうので、1週間ほどかけて少しずつ摂取量を増やすようにしましょう。
ダイエット後は1週間に1度体重をチェックするようにして、理想体重をキープできるようにすることが大切です。
給与量の計算についてはこちらの記事で詳しく紹介しています!
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「キャットフードの給与目安表って、やたら量が多くない?」 「パッケージに書いてある量をそのまま与えたら、愛猫が太ってしま ...
ライフステージ別に紹介!ダイエット向けの厳選キャットフード
ではさっそく、私がおすすめするダイエット向けのキャットフードをご紹介します!
ハイシニア向け
ピックアップしたフードはどれも安全性が高く、十分なダイエット効果が期待できる商品です。
猫の成長段階によって最適なフードは変わるので、より愛猫のライフステージに合ったものを選びましょう。
ここではフードを「全年齢・成猫・シニア・ハイシニア」と4つの分類に分けて紹介していきます。
全年齢のダイエット向けフード3選
まずは、どのライフステージの猫ちゃんにもおすすめできるキャットフード3つをご紹介します。
3つとも程よくヘルシーで栄養バランスに優れており、量さえ守ればダイエット効果が期待できますよ。
ただし、モグニャン以外の2つは穀物を含んでいるので、穀物アレルギーの猫ちゃんは避けたほうが良いでしょう。
各キャットフードの特徴をよく知って、愛猫の好みや体質に合ったものを選んでくださいね。
1位:モグニャン
モグニャンは、消化吸収率の高い白身魚がメインの低アレルギーキャットフードです。
タンパク質30%、脂質16%と程よくヘルシーな栄養バランスなので、子猫から高齢猫まで全ステージ対応。
食物繊維豊富なイモ類や腸に優しい果物がたくさん使われており、自然の食材で腸内環境を改善することができます。
魚味のキャットフードは意外と少ないので、お肉より魚派の猫ちゃんには特におすすめですよ。
過度な肥満猫向きではありませんが、ぽっちゃりさんやダイエット後の理想体重キープにはぴったりです。
カロリー / 100g | 365kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 30% / 16% |
含まれる繊維質 | サツマイモ、エンドウ豆、ひよこ豆、レンズ豆、アルファルファ、バナナ、リンゴ、クランベリー、カボチャ |
モグニャンについては、こちらの記事でより詳しく解説しています!
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2位:ニュートロナチュラルチョイス【減量用アダルトチキン】
ニュートロナチュラルチョイス【減量用アダルトチキン】は、体重が気になる猫のためのダイエットフードです。
高タンパクながら低カロリー・低脂質に作られているので、筋肉量を維持しながらダイエットすることができますよ。
ニュートロのフードは嗜好性が高く、ドライフード嫌いの愛猫でも食べてくれた!と評判が高いのが特徴です。
他のダイエットフードを食べてくれない…という猫ちゃんの場合は、1度試してみてはいかがでしょうか?
カロリー / 100g | 325kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 33%以上 / 9.0%~11.5% |
含まれる繊維質 | 玄米、粗挽き米、エンドウマメ、アルファルファミール、ビートパルプ、オーツ麦繊維、米糠 |
3位:ロイヤルカナン【アペタイト コントロール ステアライズド】
ロイヤルカナン【アペタイトコントロール ステアライズド】は、食物繊維豊富なダイエットフードです。
とうもろこしや小麦など植物性の食物繊維がたくさん使われていますが、どれも猫が消化しやすいように加工処理済み。
少ない量でも愛猫に満腹感を与えることができるので、愛猫にひもじい思いをさせることなくダイエットができます。
そのため、つい愛猫のおねだりに負けてしまう…という飼い主さんには特におすすめのフードといえるでしょう。
カロリー / 100g | 349kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 32%以上 / 10%以上 |
含まれる繊維質 | とうもろこし、植物性繊維、小麦、コーングルテン、米、ビートパルプ、サイリウム |
成猫のダイエット向けフード3選
続いては、成猫のダイエットに向いているキャットフードを3つご紹介します。
活発に動き回っていた成長期の子猫にくらべると、ほとんどの成猫は運動量がガクッと下がります。
そうなると当然太りやすくなりますが、猫にとって肥満はなにひとつメリットがありません。
筋肉を維持しつつ健康的に痩せることができるように、適度に高タンパクなキャットフードを選びましょう。
1位:ナチュラルバランス【リデュースカロリー】
ナチュラルバランス【リデュースカロリー】は、チキンやダック、サーモンやラムなど様々な肉が入っているフードです。
ミールというと粗悪な肉の寄せ集めというイメージがありますが、ナチュラルバランスのミールは単純に乾燥した肉・魚のこと。
加工コストがかかる生肉や脱水肉を使っていないぶん低価格なので、長く続けやすいキャットフードといえるでしょう。
34%と適度なタンパク質ながらカロリーは低いので、成長して運動量の落ちた成猫のダイエットフードとしておすすめです。
カロリー / 100g | 329kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 34.0%以上 / 10.5%以上 |
含まれる繊維質 | 玄米、ポテト、ニンジン、オートミール、ほうれん草、クランベリー |
2位:オリジン【フィット&トリムキャット】
オリジン【フィット&トリムキャット】は、タンパク質がなんと44%以上の高タンパクフードです。
他のフードにくらべてカロリーはそれほど低くありませんが、炭水化物の割合が少ないのは嬉しいですね。
食後の血糖値が急上昇しづらいので、肥満対策だけではなく、糖尿病や高脂血症など命に関わる病気の予防にも効果的。
高タンパクゆえにシニア猫・ハイシニア猫には不向きですが、子猫や成猫の食事としてはおすすめできます。
カロリー / 100g | 375kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 44%以上 / 15%以上 |
含まれる繊維質 | 丸ごと赤レンズ豆、丸ごとヒヨコ豆、丸ごとグリーンピース、丸ごとグリーンレンズ豆、丸ごとピント豆、丸ごとシロインゲン豆、リンゴ繊維、レンズ豆繊維、丸ごとイエローピース、ディハイドレートカボチャ、ディハイドレートバターナッツスクワッシュ、新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ、新鮮ケール、新鮮ホウレン草、新鮮カラシ菜、新鮮コラードグリーン、新鮮カブラ菜、新鮮丸ごとニンジン、丸ごとレッドデリシャスリンゴ、丸ごとバートレット梨、カボチャの種、ヒマワリの種 |
3位:ロイヤルカナン【満腹感サポート】
ロイヤルカナン【満腹感サポート】は、低脂肪と高食物繊維が特徴的なダイエット用療法食です。
タンパク質の含有量は今回ご紹介するフードのなかで1番高く、ダイエット中の筋肉維持にとても効果的です。
食物繊維がかなり多く入っているので、名前の通り少ない量でも愛猫が満腹感を感じやすいといえますね。
高タンパク質なのでシニア猫やハイシニア猫には不向きですが、過度な肥満の成猫用としておすすめできるフードです。
カロリー / 100g | 307kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 44.3% / 11.7% |
含まれる繊維質 | 植物性繊維、タピオカ、小麦粉、コーングルテン、サイリウム |
シニア猫のダイエット向けフード3選
運動量は成猫期よりも更に減り、寝ている時間が徐々に増えていくシニア期の猫たち。
遊びに誘っても気乗りしてくれなくなることが増え、脂肪燃焼に関わる新陳代謝も落ちていきます。
そんなシニア期では、老猫の大敵「慢性腎臓病」を防ぐため、タンパク質量30%前後のフードを選びましょう。
なかでも、便秘や歯周病、関節痛など、シニア猫に多いトラブルのケアができるフードがおすすめです。
減量後のシニア猫におすすめのフードについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています!
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1位:ナウフレッシュ【シニアキャット&ウェイトマネジメント】
ナウフレッシュ【シニアキャット&ウェイトマネジメント】は、新鮮な七面鳥の生肉がメインのキャットフードです。
脂質14%とヘルシーながらタンパク質量も適度にあるので、肥満による健康トラブルが気になりだすシニア期の猫にはぴったり。
繊維質のバリエーションも豊富ですし、腸内環境を整える効果が期待できるプロバイオティクス配合という点も◎ですね。
粒サイズは約5~7mmとかなり小粒なので、歯やあごの力が弱ってくるシニア猫でも食べやすいですよ。
カロリー / 100g | 344.75kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 30%以上 / 14%以上 |
含まれる繊維質 | ポテト粉、エンドウ豆、エンドウ豆繊維、ポテト、トマト、フラックスシード、リンゴ、アルファルファ、ニンジン、カボチャ、バナナ、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー、ブラックベリー、パパイヤ、パインアップル、グレープフルーツ、レンズ豆、ブロッコリー、ホウレン草、アルファルファスプラウト |
2位:ブリスミックス猫用 チキン
ブリスミックス【猫用チキン】は、免疫力向上などに役立つサプリメントが配合されたキャットフードです。
このフードには、K12と呼ばれる口腔内善玉菌や免疫力向上が期待できるアガリクス茸など様々な成分が使われています。
グルコサミンやコンドロイチンなど関節や軟骨の健康を守る成分も配合されているので、肥満による関節痛の予防にも効果的。
体のトラブルが目立ってくるシニア期のダイエットでは、こうした健康効果の高いフードを選ぶようにしましょう。
カロリー / 100g | 353kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 30% / 10% |
含まれる繊維質 | 玄米、えんどう豆、白米、えんどう豆粉フラックスシード、ケール、チアシード、パンプキン、ブルーベリー、キヌア、ドライケルプ、ココナッツ、ほうれん草、人参、パパイア、コンドロイチン |
3位:カントリーロード【フィーラインコンフォート(インドア)】
カントリーロード【フィーラインコンフォート(インドア)】は、運動量の少ない成猫やシニア猫のためのフードです。
タンパク質がやや高いので腎臓病の猫は不向きですが、まだまだ元気で若々しいシニア期前半の猫ちゃんにはおすすめ。
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸がバランスよく調整されているので、毛ツヤを保ちながら健康的にダイエットができますよ。
食物繊維として配合されたタピオカスターチはグルテンが抜かれており、穀物アレルギーの愛猫でも安心です。
カロリー / 100g | 324kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 38%以上 / 12%以上 |
含まれる繊維質 | えんどう豆、ひよこ豆、タピオカスターチ、トマト繊維、えんどう豆繊維、クランベリー、海草 |
ハイシニア猫のダイエット向けフード2選
12歳以降のハイシニア猫ちゃんには、タンパク質・脂質・カロリーが適度に抑えられたフードがおすすめ。
ほとんどの猫は10~12歳ごろになると体重が減り始め、15歳になる頃には50%以上が「痩せ体型」になります。
そのため、太っているからといって減量を頑張りすぎてしまうと、いざという時の体力を消耗してしまう可能性があります。
ハイシニア猫のダイエットは、無理なくゆっくりと体重が落とせるようなキャットフードを使いましょう。
減量後のハイシニア猫におすすめのフードについても、こちらの関連記事が詳しいですよ!
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1位:モグニャン
ゆっくり減量させたいハイシニア期には、全年齢対応フードのモグニャンがおすすめ。
メイン食材である白身魚は消化吸収が良く、胃腸機能の弱ったハイシニア期でも安心して与えることができます。
リンやカルシウムなどミネラルの値が全体的に低いので、腎臓への負担が気になる老猫にはぴったりですね。
また、モグニャンは便秘改善効果も高く、水分不足になりがちな猫の排便をスムーズにしてくれます。
カロリー / 100g | 365kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 30% / 16% |
含まれる繊維質 | サツマイモ、エンドウ豆、ひよこ豆、レンズ豆、アルファルファ、バナナ、リンゴ、クランベリー、カボチャ |
モグニャンについては、こちらの記事でより詳しく解説しています!
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本当に良いフードなの?モグニャンを5つの評価基準で徹底的に試して分かった真実!
モグニャンは、プレミアムキャットフードのなかでも広く知られているキャットフードです。 「猫が本当に喜ぶキャットフード」を ...
2位:ナウフレッシュ【シニアキャット&ウェイトマネジメント】
ナウフレッシュ【シニアキャット&ウェイトマネジメント】は、ハイシニア猫ちゃんにもぴったりです。
カロリーは344.75kcalと程よく抑えられており、タンパク質や脂質、繊維質の種類は1位のモグニャンとよく似ていますね。
モグニャンと同じくミネラルの値が全体的に低く調整されているので、腎臓への負担が気になる老猫期に最適ですよ。
抗酸化作用の高いベリー類や野菜、フルーツが20種類以上配合されているのも、嬉しいポイントといえます。
カロリー / 100g | 344.75kcal |
たんぱく質 / 脂質 | 30%以上 / 14%以上 |
含まれる繊維質 | ポテト粉、エンドウ豆、エンドウ豆繊維、ポテト、トマト、フラックスシード、リンゴ、アルファルファ、ニンジン、カボチャ、バナナ、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー、ブラックベリー、パパイヤ、パインアップル、グレープフルーツ、レンズ豆、ブロッコリー、ホウレン草、アルファルファスプラウト |
重要なポイントまとめ
最後に、重要なポイントとおすすめフードを振り返っておきましょう!
- 猫のダイエットは無理のない食事制限がおすすめ
- ポイントは「タンパク質・脂質・食物繊維」の含有量
- リバウンドを防ぐため、ダイエット後のフード量は約10%の増量のみ
- 成猫期では高タンパクなキャットフードで筋肉量を維持しよう
- シニア期ではタンパク質の摂取量を落とし、腎臓病を予防して
- ハイシニア期のダイエットは焦らずゆっくり進めること
ハイシニア向け