世界中で100種類以上もの品種があるといわれている「猫」。
このうち、日本国内で飼育できる種類だけでも、猫には約60種類近くの品種が存在します。
「こんなに種類が多いと、どんな猫ちゃんをお迎えすればいいか分からない…」
「我が家にはどんな猫ちゃんが合っているんだろう?」
何を隠そう、私も猫と暮らしているので、その気持ちよく分かります!
どの猫にも魅力がたくさんありすぎて、何を基準に決めれば良いか悩んでしまうんですよね。
猫を飼うのが初めてであれば、「できれば飼いやすい猫をお迎えしたいな…」と思う人も多いはず。
とはいえ「飼いやすい」の基準は人やお家の環境によって違うので、理想の猫に出会うことはなかなか難しいもの。
そこで今回は、大手のペット保険会社「アニコム損害保険株式会社」が2018年に実施した調査をもとに「人気の猫種ランキングTOP10」と、筆者の見解による「5つのタイプ別おすすめ猫種TOP3」を作ってみました。
もちろん同じ種類でもそれぞれの個性はありますが、もしお迎えする猫ちゃんの品種に迷っているなら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
どんな子がピッタリ?人気の猫種ランキングTOP10とお世話のポイント
まずは「人気の猫種TOP10」にランクインした猫種を、その特徴が分かるように表にしてみました。
体のサイズは個体によって大きく差が出やすいので、ここでは平均的な大きさで分類しています。
- 人気の猫種ランキング1位は「スコティッシュ・フォールド」
- 2位は、猫飼い初心者さんにもおすすめ「アメリカン・ショートヘア」
- 3位は、猫界のダックスフンド・短足胴長な「マンチカン」
- 4位は、オンリーワンの魅力がいっぱい「混血種」
- 5位は、意外と活発!「ノルウェージャン・フォレスト・キャット」
- 6位は、自立心が強くて留守番上手「ブリティッシュ・ショートヘア」
- 7位は、青い瞳が幻想的な、抱っこ大好き「ラグドール」
- 8位は、野性的な模様と性格が魅力の「ベンガル」
- 9位は、デリケートなボイスレスキャット「ロシアンブルー」
- 10位は、おっとり穏やかで優しい性格の「メイン・クーン」
(1位)スコティッシュ・フォールド:丸いお顔と小さなお耳がチャームポイント
スコティッシュ・フォールドの特徴
パタンと倒れた耳が印象的なスコティッシュ・フォールドは、突然変異で生まれたイギリスの猫種です。
丸い目と丸い顔、ふっくらした足先など、全体に漂う柔らかく優しい雰囲気が、スコティッシュ・フォールドの大きな魅力。
腰を抜かしたような独特な座り方は「スコ座り」と呼ばれており、その姿はまるで人間のおじさんのようだとSNS上でも人気です。
View this post on Instagram
性格は甘えん坊で好奇心旺盛、こどもや他の動物とも仲良くすることができ、引越しなど環境に変化にもあまり動じません。
被毛のカラーバリエーションも豊富で、短毛・長毛、立ち耳・折れ耳問わず、全てが正式な猫種として認められています。
スコ飼いがハマるポイント!
もっちりお餅のような見た目ながら、自己アピールはしっかりするスコティッシュ・フォールド。
飼い主さんが構ってくれなければ、ニャアと鳴いて自分に注目を集めたり、膝によじ登ってきたりすることも…!
可愛い目でじーっと見つめられたら、どんなに忙しくても手を止めてしまうこと間違いなしですね。
一緒に暮らす時の注意点
スコティッシュ・フォールドは、「遺伝性骨軟骨異形成症」という遺伝性の筋骨格疾患にかかるリスクが高い猫種です。
この病気を発症すると骨や関節に激しい痛みを感じるようになり、ひどい場合は関節にコブができて歩くことが困難になることも。
少しでも体に負担をかけないよう、フローリングには滑り止めとしてカーペットを敷く・激しい運動は避けるなどの工夫をしましょう。
元気な時の様子をよく観察しておくことで、万が一なんらかの病気を発症した場合でも早期発見・早期治療することができます。
また立ち耳に比べて、折れ耳のスコティッシュ・フォールドは耳アカが溜まりやすいので、定期的な耳掃除が必要です。
長毛のスコティッシュ・フォールドの場合は毛玉もできやすいので、ブラッシングは週に2~3回、換毛期は1日1回行うようにしてください。
こんなお家にぴったり
フレンドリーな性格のスコティッシュ・フォールドは、来客の多いお家に迎える猫種として最適です。
もちろん猫によって個体差はありますが、先住動物とも相性が良いことが多いので、2匹目・3匹目の猫におすすめ。
鳴き声が小さく、壁で爪をとぐなどのイタズラも少ないことから、マンションでも飼育しやすい猫といえます。
スコティッシュ・フォールドをお迎えするならこちら
(2位)アメリカン・ショートヘア:初心者さん向き!がっちり丈夫な体型で病気知らず
アメリカン・ショ-トヘアの特徴
アメリカン・ショートヘアは、ブリティッシュ・ショートヘアを先祖に持つイギリスの猫種です。
もともとネズミを退治するために改良された猫種なので、肩や胸、下半身など全体的にがっしりと力強く、ジャンプ力も抜群。
日本ではクラシックタビーが一般的ですが、海外では黒やクリーム色、白とのバイカラーや赤茶色など、カラーバリエーションも豊富です。
性格は素直でおだやか、飼い主の言うことをよく聞いて理解することができるので、猫を飼うのが初めての人でも飼いやすいでしょう。
家族以外には慎重になることもありますが、噛んだり、引っ掻いたりなどの攻撃行動を起こすことはほとんどありません。
アメショ飼いがハマるポイント!
真面目な性格のアメリカン・ショートヘアは、まさに猫界の優等生。
飼い主さんには甘えん坊な一面を見せることもありますが、過度にベタベタすることはありません。
おもちゃ遊びではハンターとしての優れた才能を見ることもできますし、猫としての魅力がいっぱいの猫種といえますね。
一緒に暮らす時の注意点
アメリカン・ショートヘアと一緒に暮らすなら、運動不足による肥満に注意しましょう。
筋肉量が多いぶん、動かないとすぐに太ってしまうので、遊べるスペースは十分に用意してください。
特に若いうちはエネルギーが有り余っているので、毎日のオモチャ遊びやキャットタワーの設置は欠かせません。
基本的に体の丈夫なアメリカン・ショートヘアですが、肥満が原因の心疾患には気をつけましょう。
また、アメリカン・ショートヘアはダブルコートという二重構造の被毛を持っています。
短毛なので手入れ自体は楽ですが、換毛期は驚くほど毛が抜けることを心掛けておいてくださいね。
こんなお家にぴったり
素直でかしこい性格のアメリカン・ショートヘアは、猫を飼うのが初めて!というお家にピッタリ。
子猫の頃からイタズラや噛み癖などの問題行動がほとんどないので、特別なしつけをしなくても落ち着いて生活できます。
とはいえ、若いうちは好奇心旺盛で活発に動き回るので、遊んであげられる時間が十分に取れるお家向きといえるでしょう。
アメリカン・ショートヘアをお迎えするならこちら
(3位)マンチカン:足は短くても元気いっぱい!好奇心旺盛な遊び好き
マンチカンの特徴
マンチカンは、イギリス・イングランドで突然変異として生まれた、ダックスフントのように足の短い猫種です。
名前の由来は「オズの魔法使い」に登場する短足の小人で、数ある猫種の中でも毛色や見た目のバリエーションが圧倒的に多いというのが特徴。
足の短くない(パッと見では普通の猫と同じ)マンチカンも多く存在しており、短足のマンチカンは全体の2割ほどしかいないというレアな面もあります。
性格は明るく陽気で、好奇心旺盛な遊び好き。短い足でも俊敏に動き回り、飼い主さんの後をトコトコと付いて回る可愛らしさが魅力です。
マンチ飼いがハマるポイント!
足の短いマンチカンは、ただ歩いているだけで可愛い!
一生懸命おもちゃを猫パンチしていますが、ほとんど届いていない…というのも悶絶ものです。
穏やかで優しい性格をしているので、同居動物とケンカすることも滅多にありません。
一緒に暮らす時の注意点
マンチカンは足が短いので、普通の猫に比べるとジャンプ力がありません。
そのため、ステップの距離が遠いキャットタワーや、背の高い家具に乗ろうとしたら落ちてしまった…!なんてことも。
椎間板ヘルニアなどの病気を防ぐためにも、微妙な高さの家具は片づけ、キャットタワーは低めのものを選ぶようにしましょう。
また、マンチカンは好奇心旺盛で遊び好きな性格なので、留守番が多い場合は1匹でも遊べるオモチャを用意してあげてください。
過剰な毛づくろいによる毛球症を防ぐためにも、長毛タイプのブラッシングは週に3~4回、換毛期では1日1回程度を目安に行いましょう。
こんなお家にぴったり
優しい性格で、こどもや他の同居動物とも仲良くやっていけるマンチカン。
鳴き声もそれほど大きくないので、マンション暮らしのファミリーには特におすすめです。
気の合う同居猫とは追いかけっこを楽しんだりすることもありますが、体重が軽いぶん足音も気になりません。
(4位)混血猫(ミックス):オンリーワンの魅力がいっぱい
混血猫(ミックス)の特徴
混血猫とは、違う品種の純血種同士を掛け合わせて作った猫種のことです。
たとえば、マンチカンとブリティッシュ・ショートヘアを親に持つ「ブリマンチ」などがそうですね。
異なる純血種同士を掛け合わせる最大のメリットは、「猫種特有の遺伝性疾患のリスクを下げることができる」こと。
広い意味では「雑種」と同じ分類ですが、動物業界では雑種と区別するために混血猫(ミックス)という呼び方をしています。
異なる純血種から生まれさえすれば混血猫といえるので、見た目や被毛のタイプ・性格はバリエーション豊かです。
- ペルシャ×アメリカンカール
- マンチカン×ラパーマ(品種の名称:スクーカム)
- ノルウェージャン・フォレスト・キャット×スコティッシュ・フォールド
- ブリティッシュ・ショートヘア×エキゾチック・ショートヘア
ミックス飼いがハマるポイント!
混血猫は個体によって特徴が大きく異なるので、世界にたった1匹だけ!という特別感があります。
飼い主さんにとってはどの品種もかけがえのない家族ですが、混血猫は見た目や性格のバラつきが大きいところが魅力。
純血種にくらべると成長後のルックスが予想しにくいので、大人になった愛猫を想像するのも楽しいですよ。
一緒に暮らす時の注意点
純血種の猫は、成長後のルックスや性格のベースとなる気質が生まれつき決まっています。
もちろん個体差はありますが、「〇〇はこんな見た目でこんな性格」というイメージから大きく外れることはないのです。
対して、異なる純血種同士を掛け合わせて生まれた混血猫は、成猫になってみないと最終的なルックス・気質を知ることはできません。
当然どちらか一方の特徴を色濃く受け継いでいる場合もありますし、両方のルックス・気質を受け継いでいることもあります。
混血猫は見た目・性格ともに個体差が激しく、一緒に暮らす時の注意点もそれぞれ違います。
両親の持つ気質や体格、現在の様子などから気をつけるべき点を考え、そのつど対処していきましょう。
こんなお家にぴったり
決まったルックスや性格を持たない混血猫は、猫の飼育経験がある人におすすめ。
どんなふうに成長するか分からない混血猫と暮らすには、「猫」という動物に慣れている必要があります。
混血猫のちぐはぐな性格を楽しめる猫マスターなら、混血猫にとっても良い飼い主さんになることができるはずです。
(5位)ノルウェージャン・フォレスト・キャット:高いところが大好き!ビッグな森の妖精
ノルウェージャン・フォレスト・キャットの特徴
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、寒さ厳しいノルウェーの町で見つかった野生種です。
もともとはネズミ退治のために農場などで飼われており、大きな体からは想像もつかないほど活発に動くことができます。
前足よりも後ろ足が長いのが特徴で、三角形の頭とまっすぐな鼻筋、筋肉質でがっしりとした体型がとても魅力的な猫種といえるでしょう。
辛抱強く、些細なことにも動じない大型猫らしい性格で、飼い主とのコミュニケーションを積極的に取りたがる傾向もあります。
木登りが得意で高いところに登りたがるので、キャットタワーのてっぺんが特等席になることも少なくありません。
ノル飼いがハマるポイント!
のんびりした性格が多い大型猫ですが、ノルウェージャンは活発で元気いっぱい!
特に若い頃は走り回るのが大好きで、本棚や冷蔵庫など高い場所にも軽々飛び乗ってしまいます。
体は大きいのに、いつまでたっても子猫のような性格が、ノルウェージャンのもっとも大きな魅力です。
一緒に暮らす時の注意点
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、オスが4.5kg~7.0kg、メスは3.5~5.5kgと大型サイズの猫です。
そのため、一般的な大きさの猫よりも必要な食事量も多く、成長が終わるまでに約2~3年ほどかかるといわれています。
ノルウェージャンの特徴であるゴージャスな被毛とがっしりした体型を維持するためにも、食事は良質なタンパク質を使用したものを選びましょう。
ただし、ノルウェージャンは太りやすいので、オモチャ遊びなどによる適度な運動と食事量の管理を徹底する必要があります。
また、ノルウェーが原産地であるノルウェージャンの被毛は、防寒防水目的のために全体が薄く皮脂で覆われています。
そのため、放っておくと古い皮脂で被毛が黒ずんでいき、べたつきや雑菌による皮膚炎を引き起こす原因になることもあるのです。
通常であれば猫をお風呂にいれる必要はありませんが、ノルウェージャンの場合は月に1回程度シャンプーを使って古い皮脂を落としましょう。
成猫になってから初めてお風呂に入れると嫌がりやすいので、できれば子猫のうちから水に濡れることに慣れさせておきたいですね。
皮脂が多いぶん毛玉もできやすいので、1日1回はブラッシングで抜け毛を取っておいたほうが良いでしょう。
こんなお家にぴったり
大柄ながら活発で遊び好きなノルウェージャンをお迎えするなら、広々したスペースが必要です。
体が大きいぶん、キャットタワーやベッドなどの猫用品も大きいものが必要なので、できるだけ広いお家が良いでしょう。
ノルウェージャンは高いところに登るのが好きなので、背の高いキャットタワーを設置してあげると喜びますよ。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットをお迎えするならこちら
(6位)ブリティッシュ・ショートヘア:自立心が強く、留守番上手
ブリティッシュ・ショートヘアの特徴
ブリティッシュ・ショートヘアは、イギリスでもっとも古い猫種のひとつです。
実は、有名な童話「不思議の国のアリス」に出てくるチェシャ猫のモデルは、このブリティッシュ・ショートヘアなんですよ。
頭や目、ほっぺたなど、体全体がずんぐりむっくりしており、ふくふくとした顔つきがなんともいえない愛らしさを醸し出していますよね。
そんな見た目に反して性格はやや気難しく、猫らしいマイペースさと高いプライド、そして強い自立心を持っているブリティッシュ・ショートヘア。
子猫のうちは甘えん坊ですが、成長するほど自立心が強くなっていくので、飼い主にベタベタ甘えたり、付いて回ることはありません。
ブリティッシュ飼いがハマるポイント!
ブリティッシュ・ショートヘアは、「飼い主に甘えるよりも、1匹で寝ているほうが好き!」という性格です。
基本的には他の動物に関心を示すことも少ないので、同居動物ともつかず離れずの距離感を保つことができるでしょう。
そんな落ち着いた性格のブリティッシュ・ショートヘアですが、時には甘え声を出したり、ごろんとお腹を見せて寝ていたりすることも。
普段はクールなだけに、ふいに見せる可愛らしいしぐさには飼い主さんも思わずメロメロです。
一緒に暮らす時の注意点
アメリカン・ショートヘアの先祖であるブリティッシュ・ショートヘアは、クールながらネズミ捕りハンターの気質もバッチリ。
がっしりと筋肉質な体型ゆえに、適度に運動させないとすぐに太ってしまうので、毎日のオモチャ遊びやキャットタワーの設置が必要です。
また、ブリティッシュ・ショートヘアの被毛は二重構造のダブルコートで、換毛期にはごっそりと抜け毛が出ます。
短毛なのでお手入れの手間はそれほどかかりませんが、気難しい性格ゆえにブラッシングやシャンプーは嫌がって暴れることも多いでしょう。
無理やりやろうとすると余計に怒って手が付けられなくなるので、できれば子猫のうちから慣らしておいてくださいね。
こんなお家にぴったり
自立心が強く、1匹でもストレスを感じずに過ごせるブリティッシュ・ショートヘアは、共働きの世帯にピッタリ。
個体差はありますが、基本的に留守番が多くても寂しがることがないので、安心して留守を任せることができるでしょう。
ブリティッシュ・ショートヘアは、抱っこをはじめ、構われるのがあまり好きではないので、小さなこどものいないお家が理想的です。
ブリティッシュ・ショートヘアをお迎えするならこちら
(7位)ラグドール:抱っこでうっとり…ぬいぐるみ猫といえば
ラグドールの特徴
ラグドールは、アメリカに住むペルシャ猫のブリーダーが作り出した猫種です。
大きめの頭に美しいブルーの瞳、顔と胴体はふんわりした柔らかい被毛で覆われており、名前の通り「ぬいぐるみ」みたいな見た目。
顔や手足、しっぽなどに斑(まだら)模様が入るのが特徴的で、斑模様がどこに入っているかによって毛色の呼び方が3つに分かれています。
大型猫らしい落ち着いた性格なので、成猫になっても大きな声で無駄に鳴いたり、バタバタと激しく走り回ったり、ということはほとんどありません。
飼い主さんの視界に映るような場所にさりげなく座り、構ってくれるのをじっと待つ、ラグドールはそんな愛らしい性格の猫種です。
ラグ飼いがハマるポイント!
基本的に猫は自由が利かない体勢を苦手としますが、ラグドールは抱っこ大好き!
抱かれると全身の力を抜いて身を預けてくるので、飼い主さんはもうメロメロになってしまいます。
俊敏な動きは苦手でちょっとどんくさいところも、飼い主のハートをくすぐりますよ。
一緒に暮らす時の注意点
ラグドールは、オスが6.5kg~9.0kg、メスは4.5~7.0kgと大型サイズの猫です。
そのため、一般的な大きさの猫よりも必要な食事量も多く、成長が終わるまでに約3~4年ほどかかるといわれています。
ラグドールの特徴である美しい被毛としっかりした体型を維持するためにも、キャットフードは栄養バランスの良いものを選びましょう。
また、ラグドールはあまり高いところを好む性質ではなく、ジャンプ力・運動神経もそれほどありません。
背の高いキャットタワーでは上部まで到達しない可能性もあるので、タワーは土台がしっかりした低めのものを選びましょう。
被毛はダブルコートですが、もつれにくい毛質なので毛玉ができにくく、お手入れもそれほど手間がかからない傾向があります。
一般的な長毛種と同じく、ブラッシングは週に3~4回、換毛期は1日1回を目安に行ってください。
こんなお家にぴったり
基本的にのんびりした性格のラグドールは、同居動物やこどもにもフレンドリーに接することができます。
すこし寂しがり屋なので留守番が多いお家には向きませんが、ほとんど鳴くこともないのでマンション飼いもOK。
遊びの延長で甘噛みをしたり、興奮すると熱が入りすぎる傾向があるので、噛みグセのしつけをしっかりできるお家に向いています。
ラグドールをお迎えするならこちら
(8位)ベンガル:野性味あふれる甘えん坊
ベンガルの特徴
ベンガルは、野生のヤマネコとイエネコとの交配によって生まれたアメリカの猫種です。
模様はロゼットと呼ばれるヒョウ柄をはじめ、単色の斑点がちりばめられたスポッテッドや、渦巻き模様のマーブルの3種類。
猫らしいアーモンド形の目は「マスカラ」と呼ばれるアイラインで縁どられ、すっと通った広い鼻すじを持っています。
性格は野性的な外面によらず意外と温和で、飼い主さんにはベタベタしたり、部屋中くっついて回るという甘えん坊な一面もあります。
数ある猫種のなかでもトップクラスに活発なので、まさに小さなヒョウを飼っているような気分を味わうことができる猫種です。
ベンガル飼いがハマるポイント!
野性味あふれる外見のベンガルですが、想像以上に甘えん坊。
持ち前の運動神経を使って飼い主さんの肩によじ登ったまま下りない…なんてこともあります。
観察力・洞察力が優れているので、正しいしつけ方をすれば「良い人生のパートナー」としても最適です。
一緒に暮らす時の注意点
他の猫種にくらべて圧倒的な運動量を誇るベンガルには、走り回れるスペースが必要不可欠です。
ハンターとしての本能を十分に満たしてあげられるよう、平面運動はもちろん、上下運動ができる環境も整えておきましょう。
家具や冷蔵庫、飼い主さんの肩など、とにかく高い場所に登りたがるので、ある程度成長したら突っ張り型のキャットタワーを設置するのがおすすめ。
飼い主さんの足を木に見立てて登ってきたりするアクティブなタイプのベンガルには、足場が一切ないキャットタワーが適しています。
ベンガルをお迎えしようと思ったら、まずはベンガルが十分に運動できるスペースを確保できるかどうか検討してください。
また、ベンガルは知能が高いぶん、有り余った好奇心をいたずらで解消しようとすることがあります。
手先も器用なので、ドアや引き出しを開けたり、閉まってある服を引っ張り出してみたりするなど、茶目っ気もたっぷり。
基本的には陽気で明るい性格ですが、ほうっておくとワガママ放題になる可能性があるので、子猫のうちにしっかりとしつけましょう。
こんなお家にぴったり
寂しがりで運動好きなベンガルには、同じく活発な同居猫のいるお家がぴったり!
相性さえ合えばじゃれ合って遊ぶこともできますし、留守番が多くても寂しがることはありません。
噛み癖の改善や引き際も猫同士のじゃれ合いで学ぶことができるので、複数飼育向きの猫種といえるでしょう。
ベンガルをお迎えするならこちら
(9位)ロシアンブルー:繊細で気難しいけど、それがたまらない!
ロシアンブルーの特徴
ロシアンブルーは、その名の通りロシアで生まれた猫種です。
くさび形の小さな頭にピンと立った耳、美しいエメラルドグリーンの瞳がとても魅力的なロシアンブルー。
まるで微笑んでいるように見える独特の口元をしており、その表情は「ロシアンスマイル」などと呼ばれ親しまれています。
性格は猫らしくマイペースで気難しい面がありますが、「飼い主さんが他の猫や人にばかり構うと嫉妬する」というような可愛らしい一面も。
家族の中でも好きな相手を選ぶので、1人と1匹で絶対的な信頼関係を結ぶことができる猫種ともいっても良いでしょう。
ロシアン飼いがハマるポイント!
ロシアンブルーは、飼い主さんにベタベタしたがる性格ではありません。
どちらかというと、自分の好きなタイミングでちょっかいを出したいタイプ。
ただし、常に飼い主さんの視界には入っていたいので、飼い主さんが移動すればさりげなく一緒に付いてきます。
一見面倒くさい性格のように思えますが、ひっそりとした愛情深さがロシアンブルーの飼い主としてはたまりませんね。
一緒に暮らす時の注意点
数ある猫種のなかでも、ロシアンブルーは1位・2位を争うほど繊細で警戒心が強い性格。
知らない人の出入りが激しかったり、車や工事の音が騒がしかったりする環境では、大きなストレスを感じてしまいます。
特にデリケートな性格のロシアンブルーでは、模様替えやルームフレグランスの変更といった些細なことにも敏感に反応します。
ストレスは下痢や食欲不振の原因にもなることもあるので、できるだけロシアンブルーの生活環境は変えないようにしてあげてください。
ロシアンブルー専用の避難場所として、人の目に触れない静かな個室を用意しておくことでストレスの軽減効果も期待できます。
猫は高い場所にいると安心する習性があるので、上下運動のできるキャットタワーを設置してもいいですね。
また、ロシアンブルーを叱る時は「静かに・落ち着いて」が鉄則。
叩くのはもちろん、けっして大声を出したり、大きな音で驚かしてはいけません。
知能が高いぶん、一度怖い思いをするとその後しばらくは心を閉ざしてしまうので、注意してくださいね。
こんなお家にぴったり
ロシアンブルーは、通称「ボイスレスキャット」とも呼ばれるほど滅多に鳴かない猫種です。
バタバタと走り回る性格でもないので、マンションなど集合住宅のお家には特に向いているといえるでしょう。
マンションの中でも4階以上の高層階であれば、車や工事の音もそれほどうるさくないですし、ロシアンブルーのストレスも溜まりません。
こどもや同居動物がいると嫉妬心がメラメラと燃えあがってしまうので、できれば大人だけの家庭がいいですね。
ロシアンブルーをお迎えするならこちら
(10位)メイン・クーン:「猫界の犬」大型猫のなかでも最大の大きさといえば
メイン・クーンの特徴
メインクーンは、北アメリカでもっとも古い猫種のひとつです。
がっしりとした骨格にふさふさのしっぽ、ピンと立った耳の先には「リンクティップス」と呼ばれる飾り毛が生えています。
成猫時の体長は100cm前後、体重はオスが6~9kg、メスが3~6kgとかなり大柄な体型で、大型猫のなかでは1番大きくなるといわれているメインクーン。
ほど良く甘え上手ですがベタベタすることもなく、大型猫らしい落ち着いた性格で、知らない人にもフレンドリーに接することができます。
手先が器用なうえ頭も良いので、人間の真似をしてドアを開けてみたり、物を掴むようにして遊んだりすることもよくあります。
メインクーン飼いがハマるポイント!
明るく温和で、小さなことは気にしない性格がメインクーンの魅力です。
素直で賢いのでしつけもしやすく、一緒に生活していて楽しい猫といえますね。
一度メインクーンと暮らすと次もメインクーンをお迎えしてしまう飼い主さんが多いのは、それだけ魅力的だからでしょう。
一緒に暮らす時の注意点
世界最大の猫であるメインクーンは、体が成長し終わるまでに約4年もかかる猫種です。
がっしりした健康的な体格を作れるよう、成長期はよく運動させ、かつ良質なキャットフードを与えましょう。
高いところに登るのが好きなメインクーンですが、体が大きいぶん普通のキャットタワーではステップが小さすぎてバランスを崩しがちです。
10kgを超えるメインクーンが勢いよく飛び乗ることで壊れたり、倒れたりする可能性もあるので、タワーを購入する時は必ず耐久重量の確認をすること。
ネズミ捕りハンターとしての本能を満足させてあげられるように、色々なオモチャを使って遊んであげてもいいですね。
また、メインクーンは北アメリカの寒さにも耐えられる皮脂に覆われた分厚い被毛を持っています。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットと同じくオイリーな毛質なので、定期的にシャンプーで古い皮脂を落としてあげましょう。
毛玉ができるのを未然に防ぐためにも、シャンプーは月に1~2回程度、ブラッシングは1日1回が理想的な頻度です。
こんなお家にぴったり
飼い主さんの状況を理解する能力に優れていることから、「猫界の犬」とも呼ばれるメインクーン。
ノルウェージャンほど活動的ではなく、ラグドールよりは活発というちょうど良い性格で、どんなお家でも飼いやすい大型猫です。
体が大きいぶん、トイレやキャットタワーなどの猫グッズは大きいサイズを用意してあげる必要があるので、スペースに余裕のあるお家に向いています。
メインクーンをお迎えするならこちら
「こんな猫を探してる」という人に!「タイプ別おすすめ猫種」をご紹介
ちなみにあなたが一緒に暮らしたいと思うのは、いったいどんな性格の猫でしょうか?
「初めて猫をお迎えするから、飼いやすい猫がいいな…」
「猫のマイペースなところがたまんない!」
「マンション暮らしだから、できるだけおとなしい猫の方がいいかな…」
声が小さい猫やおっとりした猫、頭が良い猫や甘え上手な猫など、猫の性格は品種によって様々です。
ここでは、新たに猫をお迎えしようと思っている人の参考になるよう「タイプ別のおすすめ猫種」をご紹介しますね。
※選定は筆者の見解によります
飼いやすい猫TOP3
飼いやすい猫の特徴は「問題行動が少ない・穏やか」の2つ。
初めて猫と暮らすなら、まずは以下の猫種から検討してみましょう。
(1位)アメリカン・ショートヘア
「飼いやすい猫」第1位には、明るく素直な性格のアメリカン・ショートヘアがランクイン!
特別なしつけをしなくても問題行動を起こすことがほとんどないので、猫飼い初心者さんにもおすすめです。
ダブルコートの被毛ゆえ、換毛期には毛がたくさん抜け落ちますが、ブラッシングも嫌がらずにさせてくれるコが多いですよ。
(2位)エキゾチック・ショートヘア
「飼いやすい猫」第2位は、鼻ぺちゃ顔がたまらないエキゾチック・ショートヘア。
ペルシャとアメリカン・ショートヘアを掛け合わせて生まれた猫種で、おとなしい性格をしています。
甘えん坊で抱っこが大好きですが、飼い主さんが留守の間はのんびり1匹で昼寝をして過ごすこともできます。
(3位)ヒマラヤン
穏やかでおとなしく、飼い主さんとのスキンシップを好むヒマラヤンが「飼いやすい猫」第3位。
バタバタと走り回ることはありませんが、猫じゃらしなどを使った軽い遊びは大好きという可愛い性格です。
初めて会う人にもそれなりに愛想よく接することができますし、丈夫で病気になりづらいのも初心者向きですね。
知能が高く、かしこい猫TOP3
頭の良い猫が理想なら、以下の3品種がおすすめ。
知能が高いぶん接し方にコツがいりますが、一緒に暮らしていて楽しい猫たちですよ。
(1位)シャム
シャムは「かしこい猫」として、常に紹介されている猫種です。
他の猫にくらべて圧倒的によく喋る(要求や返事をする時に鳴く)ので、意思疎通が取りやすいのです。
人の行動をよく観察しており、ドアに飛びついて開けるのは得意分野でもあります。
(2位)ロシアンブルー
知能が高いゆえに繊細で、気難しい一面があるロシアンブルー。
飼い主に忠実で犬のような猫とも言われますが、基本的には気まぐれでツンデレな性格です。
まるで人間の箱入りお嬢さまと接しているような気分に浸れるところが、ロシアンブルーの魅力でしょう。
(3位)メインクーン
おとなしくて知能の高い大型猫といえば、なんといってもメインクーン。
「穏やかな巨人」とも呼ばれるほど大きいメインクーンですが、投げたボールを取ってきたり、おやつを使った宝探しは大得意!
些細なことは気にしない性格なので、1位・2位にくらべると圧倒的に飼いやすい猫種といえます。
マンションでも安心!騒がしくない落ち着いた猫TOP3
マンションのような集合住宅では、「騒がしくない」というのが必須条件ですよね。
バタバタと走り回る活発な性格ではなく、落ち着いたのんびり屋の猫種を選びましょう。
(1位)スコティッシュ・フォールド
「騒がしくない猫」第1位は、猫種人気ランキングでも1位のスコティッシュ・フォールドです。
好奇心旺盛で遊び好きな一面もあるスコティッシュ・フォールドですが、バタバタと走り回ることは滅多にありません。
また、スコティッシュ・フォールドは鳴き声が小さいことでも知られており、マンション向きの猫種といえます。
(2位)エキゾチック・ショートヘア
「飼いやすい猫」第2位にもランクインしたエキゾチック・ショートヘアは、マンションに住む方に人気が高い猫種です。
のんびり落ち着いた性格なので走り回ることはないのですが、アメリカン・ショートヘアの血が騒ぐせいか、高いところが大好き。
運動神経が良いほうではないので「登ったはいいものの、降りられない…」なんてことのないよう、低いキャットタワーを用意してあげましょう。
(3位)シンガプーラ
シンガプーラは世界でもっとも小さい猫といわれており、足音がとても小さいことで有名です。
程よく筋肉の付いた体や手足はスラリと美しく、アイラインの濃いアーモンド形の瞳がどことなく強気な印象。
性格はとても活発で運動好き、どんなことにも興味津々で、飼い主さんの肩に飛び乗るなどアクティブな面もあります。
ついつい甘やかしたくなる!甘え上手な猫TOP3
「せっかく猫と暮らすなら、甘えん坊の猫がいい!」
そんなあなたにおすすめなのは、以下でご紹介する3品種です。
それぞれ体の大きさが異なるので、飼育環境に合った猫をお迎えしてくださいね。
(1位)ラグドール
甘えん坊といえば、やっぱりラグドールは外せません。
甘えたくなると目の前に立って無言のアピールを始めるラグドールは、数ある猫種の中でもトップクラスの甘えん坊。
体が大きいぶん体重もありますが、寄りかかられても不思議と重さを感じないのがラグドールの魅力です。
(2位)シンガプーラ
甘えん坊でやきもち焼き、「自分を1番に考えてほしい!」という性格のシンガプーラ。
ロシアンブルーほどではありませんが、飼い主さんが他のペットを可愛がる場面では割り込んで邪魔をしてきます。
退屈しのぎで飼い主さんにちょっかいを出してくることも多いのですが、憎めない性格とはこのことです。
(3位)スコティッシュ・フォールド
足を投げ出して座る「スコ座り」が印象的なスコティッシュ・フォールドも、かなりの甘え上手です。
犬や猫など他の同居動物よりも飼い主さんと関わるほうが好きなので、常に後をついて回る寂しがりな一面も。
ひっそり静かに訴えてくるタイプなので、甘えたいモードにはできるだけ早く気付いてあげましょう。
振り回されるのも一興!マイペースな猫TOP3
猫といえば、気まぐれでマイペースな性格が魅力のひとつ。
猫に振り回されるのがたまらない!という人は、ぜひ参考にしてください。
(1位)ロシアンブルー
「かしこい・繊細・気難しい」という、猫の王道をいくロシアンブルー。
飼い主さんが他の動物に構うと猛烈に嫉妬するくせに、構うと嫌がって逃げる…という何ともツンデレな性格をしています。
もしあなたにМっ気があるのなら、ロシアンブルー独特の性格を楽しめる可能性が高いかも?
(2位)ミヌエット
ミヌエットは、マンチカンとペルシャを掛け合わせ、更にペルシャ系の長毛猫と何度か交配を重ねて作られた猫種です。
そのため、ペルシャの穏やかさとマンチカンの活発さが混じったような、なんとも言えない性格をしていることが多いのです。
基本的にマイペースで甘えん坊ですが、「自分から甘えるのはいいけど、そっちからこられるのはイヤ」という猫らしさも持っています。
(3位)ソマリ
アビニシアンの長毛バージョンとして生まれたソマリは、いたずら好きの甘えん坊。
水を怖がらない個体が多いせいか、水入れに手を突っ込んでひっくり返すなどのいたずらをすることもあります。
繊細ゆえにストレスを溜め込みやすいので、不安を感じさせないよう色々と気遣いをしてあげてくださいね。
今回のポイントまとめ
どうでしたか?
猫種による違い、何となくでもイメージがついたのではないでしょうか。
とはいえ、同じ猫種でも個体差はどうしてもあります。
あなたがお迎えする猫ちゃんは世界に一匹なので「こんな性格と思ってなかった!」と言わず、愛情を持ってお世話をしてあげてくださいね。
人気の猫種TOP10
- 人気の猫種ランキング1位は「スコティッシュ・フォールド」
- 2位は、猫飼い初心者さんにもおすすめ「アメリカン・ショートヘア」
- 3位は、猫界のダックスフンド・短足胴長な「マンチカン」
- 4位は、オンリーワンの魅力がいっぱい「混血種」
- 5位は、意外と活発!「ノルウェージャン・フォレスト・キャット」
- 6位は、自立心が強くて留守番上手「ブリティッシュ・ショートヘア」
- 7位は、青い瞳が幻想的な、抱っこ大好き「ラグドール」
- 8位は、野性的な模様と性格が魅力の「ベンガル」
- 9位は、デリケートなボイスレスキャット「ロシアンブルー」
- 10位は、おっとり穏やかで優しい性格の「メイン・クーン」
タイプ別おすすめ猫種
- 飼いやすい猫1位は「アメリカン・ショートヘア」
- 知能が高く、かしこい猫1位は「シャム」
- マンションでも安心!騒がしくない猫1位は「スコティッシュ・フォールド」
- 甘え上手な猫1位は「ラグドール」
- 猫らしいマイペースな猫1位は「ロシアンブルー」